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2024年10月14日皆さん、こんにちは。ライターのhpuriです(^∇^)
最近は秋らしく過ごしやすい陽気が続いており、厳しい暑さもようやく落ち着いたかなという印象です。
その分、1日の中で寒暖差が大きいので、寒暖差疲労には気を付けなければなりませんね。
10月8日は二十四節気の「寒露」で、秋が深まるころといわれています。
秋といえば、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋…など、さまざまな秋がありますが、どんな秋にも似合うのが紅茶という飲み物です。
そんな紅茶の“ある事象”について、多くの科学者たちが研究を重ねています。
その事象はティーポット効果と呼ばれるもので、誰もが一度は目にしたことがあると思われます。
今回は、ティーポット効果と防止方法について解説していきます。
●科学者たちが研究を行うティーポット効果とは?
ティーポット効果とは、紅茶やお茶、コーヒーなどをティーポット(または急須)から注ぐ時、飲み物が注ぎ口の下側を伝ってポタポタと垂れてしまう現象のことです。
ティーポット効果が起きると、紅茶を淹れているテーブルやティーソーサーが濡れてしまいます。
お客さまにふるまう紅茶などでは、あまり起きてほしくない現象です。
効果という言葉からポジティブな結果を連想しますが、実際はどちらかというとネガティブな現象というわけですね。
紅茶愛好家の方々はもちろん、お茶を飲む人なら誰でも一度は目にした経験があるはず!
そんなティーポット効果について、これまで数多くの科学者が研究を重ねてきました。
そもそも、ティーポット効果という言葉が生まれたのは、1956年のことです。
イスラエル工科大学で教授をしていたMarkus Reiner(マーカス・ライナー)氏による研究発表で言及されたのが始まりです。
マーカス氏による最初の説では、液体の内部に発生する渦が影響を与えていると説明されています。
その後、Jean-Marc Vanden-Broeck(ジャン マルク ヴァンデン ブルック)氏をはじめとする研究チームが、ティーポット効果について論文の発表を行いました。
論文では、液だれしないティーポットの注ぎ口を作る計算方法について書かれており、その功績で1999年にイグノーベル賞を受賞しています。
●ティーポット効果には3つの相互作用が影響している
さまざまな科学者たちがティーポット効果について研究を行ってきましたが、どれも正確性に欠けるといわれていました。
そんな中、2021年にウィーン工科大学が行った研究発表で、新たな事実が判明したといいます。
研究では、ティーポットから紅茶を注ぐスピードが遅すぎると液だれが起き、スピードを速めると液だれが起きないという結果が出ています。
上記を踏まえて、ティーポット効果は慣性力・粘性力・毛細管力の3つの相互作用により起きるものと説明されました。
液だれに関係する相互作用について簡単にご説明します。
①慣性力
液体が同じ方向に流れようとする性質
②粘性力
液体の流れを静止させようとする性質
③毛細管力
液体の表面張力によって持ち上がっていく性質
紅茶を注ぐスピードを落とすと、慣性力が働いて液体は一定の方向に流れようとします。
その一方、注ぎ口のところでは、毛細管力の働きでさらに速度が落ちるのです。
ティーポット効果は、重力とは関係なく、慣性力と毛細管力の作用によって起きるものとして結論づけられました。
また、ティーポットの注ぎ口と液体の間の狭い範囲で発生することも分かっています。
研究チームの主任を務めるBernhard Scheichl(ベルンハルト・シャイヒル)氏も、「流体力学の枠内で正確に説明するのは難しい」とコメントしています。
ベルンハルト氏によると、注ぎ口の下側の鋭い部分(エッジ)が最も重要であるとのことです。
●ティーポットの液だれ防止にはどんな方法がある?
ウィーン工科大学の研究でも、ティーポット効果を防ぐには、紅茶を注ぐスピードや角度が重要であることが判明しました。
ティーポットの液だれを防止する方法として、まずは紅茶を注ぐスピードや角度を一定以上維持することが挙げられます。
紅茶を淹れる時はサッと手際よく、なるべく大きな角度で注ぐというのを意識してみましょう!
私自身、紅茶を注ぐ時は、フタをしっかり押さえ、ティーポットをほぼ90℃の角度にしています。
多くの研究により、注ぎ口の親水性が高いほど液だれしやすいことも分かっています。
液だれ防止効果が高いのは水を弾き飛ばす疎水性のある素材ですが、疎水性のあるティーポットというのはあまり見かけないのが現状ですよね。
ガラスも親水性ですが、私自身、ガラス製のティーポットを使っていてティーポット効果が気になることはあまりありません。
液だれ防止には、素材よりもティーポットの形状に目を向けるのが良いかもしれません。
液だれを防ぐには、注ぎ口が細くて上向きにカーブしており、注ぎ口の下側が薄く鋭くなったティーポットを選ぶのがポイントです。
ほかには、注ぎ口に差し込んで液だれを防ぐ急須用のスキッパー(ティードリップ)を使う方法もあります。
紅茶を上手く淹れられるとより美味しく感じられるので、ティーポット効果が気になる人は対策してみてくださいね!
【hpuri】
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